歌い手・ボーカリストのためのボーカル録音ガイド

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ボーカリストに向けたマイク + オーディオ・インターフェイスでのボーカル録音ガイドです。「ボーカル録音時のマイクセッティング」「ボーカルのディレクション」「ボーカル・レコーディン時の注意」「ボーカルのコンピングとトラックの書き出し」などについて書いています。

このページは、すでにマイク + オーディオ・インターフェイスを所有している人に向けたガイドです。

マイク選びなどは、わたしのサイトではありませんが「スタジオマイク導入ナビ – おすすめボーカル用マイクの比較」というページが参考になると思います。

スタジオマイク導入ナビ – おすすめボーカル用マイクの比較
宅録スタジオでのオススメ定番のダイナミックマイクとコンデンサーマイクを紹介しています。紹介しているメーカはNeumann、Shure、AKG、Audio-Technica、RODEなどです。
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ボーカル録音時のマイクセッティング

マイクとの距離

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マイクとの距離によって録音されるボーカルの音質は変わってきます。一日でレコーディングが終了する場合は良いですが、後日一部だけ録音し直す場合などもあります。

その場合、マイクとの距離が違うとボーカル音質は変わって編集が面倒になりますので、必ずマイクとの距離は一定にする必要があります。

コンデンサーマイクとダイナミックマイクによっても違いがありますが、自宅で歌を録音するときのマイクとの距離はダイナミックマイクなら10〜20 Cm、コンデンサーマイクなら20〜30 Cmが一般的で、この距離を中心に調整してゆきます。

ポップガード

ポップガード 画像
ボーカル編集の環境が大きく進化してノイズも取り除くことは可能ですが、息が直接マイクの振動板に掛かることにより発生する「ボッ」「ボフッ」といった「吹かれ」と呼ばれるノイズだけは取り除くことが不可能です。

そのためボーカル録音のマイクセッティングの基本は、いかに「吹かれ」を避けるかが重要となりますので、マイクのまえに「ポップガード」を設置して、息が直接マイクに掛かるのを防ぎます。

最近はポップガード付きのコンデンサーマイクも販売されていますが、ポップガードはボーカルレコーディングの必需品です。

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ボーカルのディレクション

ボーカルのテイク数

ボーカルは3〜4テイクを送ってもらい、まずは、そこからピッチ補正やタイミング補正をしたメインボーカルのトラックをひとつ作ります。

その作り上がった1トラックをベースにした、新たな録音用の音源を再度ボーカルの方に渡します。

作り上げたメインボーカルと長さなどが合うように、再度、録音してもらい、更に3テイクくらい送ってもらいます。

これはボーカルトラックのダブル処理、トリプル処理を行うということもあるのですが、ボーカルのコンディションも毎日同じではなく、一度目の録音のほうが良い人もいれば、二度目の録音のほうが良い人もいるので、クオリティーを高める面で非常に有効です。

ボーカルのピッチ補正

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Celemonyのピッチ補正ソフト「Melodyne」の最上位版「Melodyne Studio」をボーカルのピッチ補正で使用します。

ピッチ、ビブラート、音量調整だけでなく、あるトラックのタイミングを別のトラックに適用することなども可能です。

勘違いしている人が多いですが、ピッチ補正ソフトは良いボーカルをより良く聴かせるためのツールです。

自分の音痴に気づかない人や、発声もまともにできていないボーカルに使用しても、歌で人を感動させることはできません。

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ボーカル・レコーディング時の注意

ボーカルの録音レベル

ピークを越えてクリップしてしまっているトラックは基本的に編集できませんので、ボーカル・レコーディング時のボーカルの録音レベルは重要です。

逆に録音時のレベルが小さすぎるトラックはノイズが多く、使いものにならないことが多いので、クリップしないことが前提でできるだけゲインを稼いで下さい。

ヘッドホン内の自分の声とオケのバランスを確認して、REC時のゲインの最大値 -2db~-7db を目安に調整します。

ボーカルの掛け録り厳禁

たまにリバーブが掛かったボーカルトラックを送ってくる方がいますが、エフェクト処理は、すべてミックスダウンの段階で行います。

そのため、ボーカルの掛け録りにはクリップを防ぐ目的のコンプ/リミッター以外は使用しないで下さい。ノーマライズやEQ処理もしないでください。

リバーブが掛かって歌ったほうが気持ちよく歌えるのは当然ですので、リバーブを使う場合も、DAWのほうで録音されるボーカル音はバイパス設定(ノンエフェクト状態)にして録音して下さい。

クリップを防ぐ目的のボーカルの録音時のコンプ/リミッターの設定は、レシオは低め、言葉の頭が潰れないように少し遅めのアタックタイム、コンプ効果を速めに消すために速めのリリースタイムが一般的です。

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ボーカルのコンピングとトラックの書き出し

ボーカルのコンピング

パンチイン録音などを使ってコンピング(複数のテイクから良い部分だけを取り出す)したボーカルトラックを制作して下さい。

編集不能なほどピッチやタイミングが大幅にズレたボーカルや「吹かれ」が入っているボーカルトラックを送ることはマナー違反です。

ボーカルトラックの書き出し

ボーカルトラックの書き出しはmp3ではなく、24bit/48kHzのWAVファイル(無圧縮)が基本となります。

当然、ボーカル録音時も24bit/48kHzの設定で録音する必要があります。

また、全ボーカルテイクは、ステレオではなくモノラルで書き出し、頭出しがマナーとなります。

ボーカルファイルの転送

WAVなどの無圧縮の大容量ファイルを送るときは「ギガファイル便」などを使って下さい。

GigaFile(ギガファイル)便
無料大容量 ファイル転送サービス GigaFile(ギガファイル)便!「3日~100日」選べる7種類のファイルの保持期限に加え、1ファイル300Gまでアップロード、共有可能!もちろん容量無制限でアンチウイルス装備。会員登録も不要です。
2024年09月にこのページを久々に更新しましたが、わたしがここ数年のボーカル(歌い手)とのコラボで感じたのは、送られてくるボーカルの音質が昔と比較してかなりグレードアップしたということです。

昔はShure「SM58」を使用するボーカルが多かったですが、現在はビリー・アイリッシュの影響があるのかはわかりませんが、 Audio-Technicaのコンデンサーマイク「AT2020」を使用するボーカルが多い気がします。

Audio-Technica AT2020 – DTMボーカル用スタジオマイクの比較
Audio-Technica(オーディオテクニカ)の全世界でシリーズ累計販売数100万本を超えるコンデンサーマイク「AT2020」と、USBモデルの「AT2020」を紹介しているページです。女性ボーカル用のマイクとしても最適です。

記事公開日:2018年09月03日/更新日:2024年09月01日 by KSTY


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